VTR250(キャブ)の中回転域、特に4,000~7,000回転の加速が安定しない症状が発生しており、キャブの同調を取ることで症状が改善したので記録として残す。
トラブルが発生した際の症状のまとめ方から、トラブルシュートの進め方をまとめてみるので何かの参考になればと思う。特に初心者の人は症状のまとめ方を参考にバイク屋さんに伝えてもらえればスムーズに修理が進められると思う。多分。
発生していた不具合の整理

さて、私のVTRで発生していた不具合だが整理すると以下になる。
- 5速 70km~80km(4,000~7,000回転)くらいでの巡行時に断続的に失速感がある。また、同じ回転域の加速も回転がバラバラとして加速しにくい。
- 回転数が下がりずらい
- アイドリングは安定している。ただ、たまにアイドリングが上がってくることがある。
- 1速でレブまで回しても断続的な失速感は感じない。
- 燃費は30km/ℓオーバー。(あれ?問題なくない?)
- 整備記録としては2年前にキャブをOHしている。その際、ダイヤフラム以外のゴム部品は新品交換済み。
詳しい人であれば大体あたりがつくと思うが、う~む分からんということで、やれることを順番に試すことにした。
考えられることを順番に試してみた

まずは基本に立ち返ってちゃんと燃料がキャブに行っているか?余分な空気を吸っていないか?などの確認からすることにした。
それぞれ、簡単な確認方法も記載する。
- 燃料ホースの曲がり
目視チェック ⇒ 問題なし - 負圧ホースの亀裂
目視チェック ⇒ 問題なし - 二次エアーの確認
キャブとエンジンの間のゴム部品(インマニ)にエンジンをかけた状態でパーツクリーナーを掛けてアイドリングが下がらないか確認 ⇒ 問題なし - キャブの同調
バキュームゲージ(負圧計)で2気筒それぞれの負圧を確認。「前バンク:25cmHg」「後バンク:13cmHg」 ⇒ お前だ!!!
ということで、原因はキャブの同調っぽいので同調を取り直すことにした。頭の片隅に何となく同調のズレがあったがキャブをOHした際に同調取ったし・・・と思ったら、OHしたのは2年前だったので全然最近じゃなかったという落ち。
同調の取り方
必要な道具は下の2つ。
- バキュームゲージ
- プラスドライバー
- シリンジ(注射器みたいな道具)※あったら便利

ちなみにVTR250は2気筒エンジンなので、バキュームゲージは一つで事足りる。

このように二股ジョイントを使うことで、前と後ろをつないだまま測定が可能だ。これがないと、前と後ろを計測するたびに付け替える必要があって大変。
ちなみにVTRの場合はタンクを外さなくてもそのままバキュームゲージを接続できる。こういうところはVTRの良い所かも。(その他の整備性はお察し)


前後を「20cmHg」にそろえて同調完了。ちなみにサービスアニュアルを見ると規定値が「20cmHg以下」となっている。負圧の数値を見る限りキャブのダイヤフラムの破損もなさそうで一安心。

調整後にアイドリング回転数が下がったので、1,300回転付近に調整して作業は完了。
ちなみにVTR250は負圧キャブになるので同調中には燃料コックに負圧が行かずキャブに燃料が共有できなくなる。そのため、シリンジを使って負圧を生み出し燃料共有してあげる必要がある。ただ、キャブに残っているガソリンでも同調できないことないので、あったら便利的な道具だ。
シリンジは100均に売ってるものでも十分使える。

同調取ったら問題解決!
冒頭に結果を書いているが、同調を取ったことで問題に思っていた中回転域の失速感やもたつきは綺麗に解消された。一番不満に思っていた5速 4,000~7,000回転くらいでの巡行時に発生する断続的な失速感もなくなったので、気持ちよくロングツーリングに行けそうだ。
意外と作業自体は簡単なので、同じような問題を抱えている人は参考にしてほしい。
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